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豊臣秀吉(5)

備中高松城を水攻めにしている秀吉のもとに本能寺の変の報せがもたらされます。腹背に敵を持った秀吉。蜂須賀彦右衛門の毛利との和睦交渉が成立し、秀吉は、主君信長の仇討のため急ぎ天王山に軍を進めるのでした。

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主な登場人物

あらすじ

天正10年(1582年)6月。羽柴秀吉(豊臣秀吉)は備中高松城を囲んでいました。高松城を落とすのは時間の問題。しかし、秀吉は、主君織田信長の援軍が到着するのを待ってから高松城を落とすつもりでいました。

ところが、高松城を水攻めにし、信長の到着を待つだけとなった秀吉のもとに本能寺の変の報せがもたらされます。

目の前には毛利の軍勢、後ろには明智光秀の軍勢。腹背に敵を持った秀吉は、軍師の黒田官兵衛(如水)の智恵と蜂須賀彦右衛門(正勝)の交渉術によって窮地を脱しました。

急ぎ上方に戻る秀吉の軍勢は、方々で主君信長の仇討を喧伝しながら世論を味方に着けていきます。

そして、天下分け目の天王山。

戦いに勝利した秀吉は、明智光秀の首級と対面するのでした。

読後の感想

5巻では、本能寺の変、中国大返し、山崎の戦いと一気に物語が進みます。本作は副題を「異本太閤記」としていますが、その理由も、5巻で明かされます。

最初の見せ場は、本能寺の変の報せを受けた秀吉が毛利との和睦を進める場面です。毛利の使者安国寺恵瓊との交渉役は蜂須賀彦右衛門。あっと驚く展開で、蜂須賀彦右衛門が毛利との和睦を成立させます。そして、彼が和睦を成功させた背景には、本能寺の変の報せを聞いた時の黒田官兵衛の秀吉に対する一言がありました。

次の見せ場は、山崎の戦いです。秀吉は、主君信長の仇討をするのだと大々的に宣伝しながら東へと軍を進めます。それを耳にした民衆も諸将も、つい秀吉を応援したくなってきます。この時点で、秀吉の勝利は決まったようなもの。しかし、異本太閤記の見せ場はここからです。

戦いに勝利した秀吉は、どうやって明智光秀の首級を手に入れるのか、他の豊臣秀吉を主人公とした作品にはない展開が読者をひきつけます。

豊臣秀吉(5)-山岡荘八
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