徳川家康(1)
東の今川、西の織田に挟まれた松平広忠のもとに水野家から於大が嫁いできました。今川寄りの水野家との縁談は、松平家の存続に重要な意味を持ちます。やがて、於大は広忠の子を出産します。竹千代と名付けられたその子は、松平家臣団の希望となるのでした。 |
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主な登場人物
あらすじ
岡崎の松平広忠は、去年いっぱい戦いぬいた刈谷の水野忠政の娘である於大を正室に迎えようとしていました。
駿府の今川と志を通じている水野と良好な関係を結ぶことは松平家にとって重要なこと。その一方で、尾張の織田信秀も脅威であり、大叔父の松平信定は織田と通じて岡崎城を手中に収めようと画策しています。
水野忠政はこの縁談を戦国乱世の中に希望を見出すものと信じ、また松平の家臣団も大いに喜びました。
しかし、水野忠政の子の信元は、今川よりも織田の力がこれからは伸びると信じ、織田に接近し始めます。
今川と織田に挟まれ、行く末に暗雲が立ち込める松平家。そんな中、於大が竹千代(徳川家康)を出産するのでした。
読後の感想
徳川家康を主人公にした長編小説です。
『徳川家康』は、著者の山岡荘八の代表作であり、最も人気がある作品です。
戦後間もない昭和25年(1950年)4月から新聞の夕刊で連載が始まり、18年の歳月をかけ昭和42年4月に連載が終了しました。これほど長く連載された歴史小説は珍しいでしょう。戦後何もない時から、高度経済成長を遂げ豊かになっていく日本ととともに本作の徳川家康も成長し、やがて泰平の世を築きあげます。
第1巻では、徳川家康の出生までに多くの紙幅が割かれています。岡崎の松平家は、東の今川、西の織田に挟まれ厳しい立場に立たされていました。松平家は、自立できるだけの力を持っておらず、どちらかの庇護を受けなければ、家の存続が厳しい状況です。
そんな中、今川寄りの水野家から於大が松平家に嫁いでくることになりました。この縁談が、やがて戦国時代を終わらせます。松平広忠に嫁いだ於大は、まもなく竹千代を出産します。この竹千代が後の徳川家康です。
広忠と於大との夫婦仲は睦ましいものでしたが、水野忠政の子の信元が織田と気脈を通じたことで夫婦関係は終了します。その後、酒におぼれ、気性が荒くなる広忠に家臣たちも苦慮しますが、彼らにとって竹千代の存在が希望となっていきます。
徳川家康(1)-山岡荘八 |
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