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源頼朝(3)

鹿ケ谷事件以降、平家への不満が強まります。源頼政は以仁王に働きかけ、諸国の源氏に平家追討の令旨が下されました。令旨は、伊豆の頼朝にも下ります。平家追討に起ち上がるべきか思案している頼朝。その時、伊豆山の北条政子から手紙が届くのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

鹿ケ谷事件の後、平清盛は、娘の徳子が皇子を産むと、わずか1ヶ月で皇太子にしました。

しかし、世間は平家の専横に不快感を示します。

清盛の子の重盛が亡くなると、後白河法皇は重盛が持つ越前の国を取り上げました。これに怒った清盛は、武力第一主義に還り、後白河法皇を鳥羽殿に幽閉します。

その頃、源頼政が以仁王に働きかけ、平家追討の令旨を新宮十郎行家(源行家)に託し、東国の源氏に旗上げを促していました。

伊豆では、北条時政の娘政子が、山木兼隆に嫁ぐことが決まっていました。しかし、政子は祝言の日に山木の元から逃げ出し、姿をくらまします。

山木兼隆は、すぐに北条館にかくまわれている頼朝を訪れ、政子を隠していないか追及しました。しかし、政子は覚淵阿闍梨の元に隠れていたので、北条館にはいません。

結局、山木兼隆は政子を探し切れず、諦めて引き返しました。

すでに以仁王の令旨を受けていた頼朝は、一人思案していました。その時、政子から伊豆山に来るようにとの手紙が届きます。

伊豆山を訪れる頼朝。新宮十郎行家から令旨のことを伝えられていた政子と覚淵阿闍梨は、頼朝に平家追討の機会が訪れたのだと説得します。

平家追討を決意した頼朝。

北条時政を味方につけ、山木兼隆の屋敷を襲撃するのでした。

読後の感想

源頼朝の最終巻です。

遂に頼朝の旗上げの時が来ました。

平治の乱からすでに20年が過ぎ、頼朝に従う者は安達藤九郎盛長ら数えるほどしかいません。しかし、源氏の嫡男である頼朝に以仁王の令旨が下されると、北条時政を始め、多くの武将が頼朝の元に馳せ参じました。

平家打倒のために起ち上がった源氏は、頼朝だけではありませんでした。木曽義仲も旗上げし、倶利伽羅峠で平家に大打撃を与え上洛を果たします。

頼朝の鎌倉幕府の構想は、この辺りから始まっていたと考えられます。

当時の朝廷は、武力を持っていませんでした。そのため、後白河法皇は、力を持った武士を排除するために別の武士に院宣を下して追討させることを繰り返していました。

このような状況では、武士は常に法皇や公卿に利用されるだけ。そこで、頼朝は、武士が個々に朝廷に接近するのではなく、その代表者だけが朝廷と交渉する仕組みを作ろうと考えます。それが、後の鎌倉幕府となっていきます。

本作では、頼朝の半生だけが描かれています。物足りなく感じるところはありますが、頼朝の死まで物語が続くよりも、鎌倉幕府の構想を得た段階で終わる方が締まりがあるように思います。

 
 
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