坂本龍馬(1)
嘉永6年(1853年)に突如浦賀にやってきた黒船。騒然とする江戸の町で、坂本龍馬は千葉重太郎とともに土佐藩邸へ。幕府の外交政策に不満を持つ者たちの声が大きくなる中、龍馬は帰国した土佐で河田小龍と出会い、自らが進むべき道を知り始めるのでした。 |
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主な登場人物
あらすじ
嘉永6年(1853年)の夏。
江戸の町は黒船渡来で大騒ぎになっていました。千葉貞吉(定吉)の北辰一刀流道場で剣術修行をしていた坂本龍馬も、この騒ぎに巻き込まれ、千葉重太郎とともに土佐藩邸にたてこもります。
黒船で浦賀にやってきたペルリは、江戸の騒ぎを尻目に、来春、再び大艦隊を率いてやってくることを幕府の役人に告げ、アメリカに帰国しました。
千葉道場で龍馬とともに修行をする梅田梅太郎は、黒船来航で攘夷熱に火がつき、佐久間象山のもとを訪ねます。しかし、紹介状を持たない梅田梅太郎は、佐久間象山に会うことができませんでした。道場に帰った梅田梅太郎は、千葉貞吉に説教をされたことに腹を立て、千葉道場を去り尊王攘夷活動を始めます。
嘉永7年の正月。
約束通りペルリは再び黒船で来航し、幕府と和親条約を締結しました。そして、幕府は諸外国とも和親条約を締結することになります。
この年の11月。龍馬はいったん故郷の土佐に帰国します。
龍馬は、姉の乙女の夫である岡上新輔のすすめで、河田小龍のもとを訪れます。龍馬は、大黒屋の長次郎(近藤長次郎)とともに河田小龍にどのように攘夷を実行すべきか教えを乞います。河田小龍は、通商によって国富を増しながら外国からの侵略を防ぐことが重要だと説き、龍馬は大きな衝撃を受けました。
しかし、この頃、土佐では上士と下士がいがみ合っており、龍馬もこの揉め事に巻き込まれるのでした。
読後の感想
黒船来航で江戸が騒然とするところから物語は始まります。まだ、この頃の坂本龍馬は、後に薩長同盟を締結させたり大政奉還を実現させるような切れ者ではありません。
千葉道場で龍馬とともに修行をする梅田梅太郎は、この頃流行りの攘夷に熱を入れます。この時代は、何かとすぐに攘夷と叫ぶ者が多く、梅田梅太郎もその一人です。彼が登場することで、その当時の風潮がよくわかるようになっていますね。
攘夷にまったく興味がないように見える龍馬ですが、彼も土佐に帰国し河田小龍と出会ったことで、彼なりの攘夷の方向性を見つけます。目指すべき道を見つけた龍馬のこれからの活躍が見ものです。
また、千葉重太郎の妹千賀との恋の行方も気になります。
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