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伊達政宗(2)

黒川城を攻略した政宗は、ついに奥羽の覇者たる地位を手にします。しかし、すでに豊臣秀吉の天下統一は目前に迫っており、政宗の天下取りの野望は潰えます。度重なる伊達家滅亡の危機。そのたびに政宗は頭を使って切り抜けるのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

人取り橋の戦いで勝利した伊達政宗は、敵味方が受けた損害の大きさを虎哉禅師に諌められました。

それからの政宗は、損害を少なくするために頭を働かせるようになるとともに中央の政局にも意識を向けるようになります。

中央に躍り出るために政宗は、黒川城(若松城)を攻略し二百数十万国の領地を手に入れました。しかし、豊臣秀吉の小田原征伐が始まり、政宗の天下取りの野望は果たせなくなります。

小田原参陣を促す秀吉の使者に対して、のらりくらりと返事をする政宗。いよいよ小田原攻めが大詰めになり秀吉の勝利が確実になったところで、ついに政宗は秀吉の臣下になることを決断しました。

小田原に遅れて参陣した政宗は、秀吉の怒りをそらすため白装束で面会。政宗の態度を気に入った秀吉は、参陣の遅れを許しましたが、黒川城は蒲生氏郷に渡すことを命じます。

これで東北も平穏になったかと思われたのも束の間、黒川城周辺で一揆が起こります。一揆の制圧に取りかかった蒲生氏郷は、その際に一揆を扇動しているのが政宗であることの動かぬ証拠を手に入れました。

蒲生氏郷の報せを受けた豊臣秀吉は、すぐに政宗に上洛を命じます。これで一巻の終わりかに思えた政宗でしたが、その場をうまく切り抜けることに成功。しかし、一揆を鎮定した後、政宗は米沢城からの領地替えを命じられるのでした。

読後の感想

一取り橋の戦いで大きな打撃を受けた政宗は、それを教訓にして黒川城を攻略し、一気に奥羽の覇者になりました。

しかし、時勢はすでに豊臣秀吉の天下統一が目前に迫っており、政宗の天下取りの野望はここで終わりを迎えます。しかし、政宗の本当の戦いはここからです。自分が手に入れた領地を何もせずに秀吉に取り上げられたのでは、これまでの努力が報われません。

そこで採った政宗の策が、白装束で小田原攻めに参陣することでした。政宗は、事前に秀吉の派手好きな性格を知っていたに違いありません。そして、どのように申し開きをすれば咎めを受けないのか、熟慮の上で白装束を選んだのでしょう。

この頃の政宗の敵は、外にはいません。彼にとって、最も手ごわい相手は、実の母の保春院(義姫)でした。もともと最上家の安泰のために伊達家に嫁いだ保春院でしたから、必要とあれば政宗の命も奪うつもりでいました。それを政宗もわかっていましたが、結局、母子の間で悲劇が起こります。この辺りの描写にあまり紙数が割かれていないので物足りなさがありますね。

 
 
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