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源頼朝(2)

平治の乱の後、東国に落ちのびる途中で平家の手の者に捕えられた頼朝は、六波羅に送られました。平清盛は頼朝の処刑を命じましたが、池禅尼が助命を訴えたため、頼朝は伊豆蛭ヶ小島への流罪となります。伊豆で流人生活を続ける頼朝。平家の力が強大となり源氏再興の夢が遠のきつつある中、京から文覚が流されてくるのでした。

主な登場人物

あらすじ

東国に落ちのびる途中で平家の手の者によって捕えられた頼朝は、六波羅に送られ処分を待つ身となりました。

三男の頼朝を嫡男にした義朝の真意を考えた平清盛は、頼朝を生かしておくことは後の平家のためにならないと思い処刑することにします。しかし、池禅尼の計らいにより、頼朝は伊豆への流罪と決まりました。

伊豆の蛭ヶ小島に到着した頼朝は、藤九郎盛長(安達盛長)ら数人の従者とともに慎ましく日々を送ります。

やがて頼朝は25歳となり、伊東祐親の長女八重姫と恋仲となり、千鶴丸が誕生しました。

その頃、伊豆には京から文覚が流罪となってやってきていました。そして、頼朝に接近した文覚は、京での平家の風聞を伝え、頼朝の決起を促すのでした。

読後の感想

源頼朝の第2巻です。

伊豆の蛭ヶ小島に流罪となった後の源頼朝の生活がどのようなものであったのか、あまり語られることはありません。

第2巻では、伊豆での頼朝の十数年間の生活が描かれています。

京を発つ前、頼朝は池禅尼に今後は刀を持たないことを約束します。一方で、頼朝は源氏再興を諦めることはありませんでした。

頼朝が蛭ヶ小島で暮らしている間に平家の力は強大となっていきます。もはや流人の身では、平家を倒し源氏を再興することなどは思いもよらない状況です。

頼朝も、10年以上も流人生活をしている間に平家を倒すことを忘れかけていたかもしれません。伊東祐親の長女八重姫との婚姻も、平家の天下で、ひっそりと暮らしていく決意だったのでしょう。

しかし、八重姫との婚姻が、頼朝の運命を変えます。もしも、頼朝が最初に北条政子と結婚していたら、後の源氏の天下は訪れなかったかもしれません。

怪僧文覚の登場で、頼朝の身辺はあわただしくなっていきます。

源頼朝(2)-山岡荘八
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