織田信長(1)
周囲からうつけ者と思われていた織田信長のもとへ、斎藤道三の娘濃姫が嫁ぎます。身内に多くの敵を持つ信長は、斎藤道三を後ろ盾に家督を狙う叔父たちを退けていきます。しかし、信長の後ろ盾となった斎藤道三は我が子義龍と争うことになるのでした。 |
PR
- 時代小説も読み放題-Kindle Unlimited
- 1冊でも倒れない ブックスタンド
主な登場人物
あらすじ
斎藤家の使者が那古野城に向かう途中、一人の少年と出会います。女子たちに相撲をさせているその少年は、織田信秀の嫡男吉法師、後の織田信長でした。
斎藤家の使者は、濃姫と吉法師との縁談話で那古野城の平手政秀のもとへやってきたものの、吉法師のうつけぶりを見て破断にすべきだと思い、見たままの吉法師を斎藤道三に伝えます。ところが、斎藤道三は濃姫を吉法師に嫁がせることにしました。
信長と名を改めた吉法師に嫁いだ濃姫は、最初は彼の奇行にとまどいます。しかし、次第に信長の才能に気づくようになり、父斎藤道三に立派な夫であると伝えるようになりました。
この頃の織田家は、身内が相争っていました。そんな中、織田信秀が急死し、信長と弟の信行とどちらが家督を継ぐべきかでもめ始めます。弟や叔父たちとの家督争いで優位に立つため、信長は舅の斎藤道三と面会し後ろ盾になってもらうことことを考えます。一方の斎藤道三は、信長が噂通りのうつけ者なら、その場で斬って織田の領地を我が物にしようと企んでいました。
しかし、斎藤道三は、信長と面会するや、彼がうつけ者ではなく、我が子義龍よりも器量が遥かに上であることを思い知らされます。そして、やがて斎藤家は信長に屈することになるだろうとも直感したのでした。
読後の感想
タイトル通り織田信長が主役の作品です。
他の山岡荘八の作品に見られるように会話が多く、読み進んでいくのが苦にりません。
少年時代の信長は、周囲からうつけ者と呼ばれるほど、おかしな行動ばかりをしていました。そのため、家中の者たちからも、このままでは織田家の行く末が危ういと思われていたほどです。それが理由で、父信秀の死後、織田家を継ぐべきは弟の信行だと多くの家臣たちは考えていました。
信長の才能に早くから気づいていたのは、家中では平手政秀くらいでしたが、その政秀でさえも信長の器量を測りかねていました。
信長が、自らの才能を世間に知らしめたのは、斎藤道三との面会の時からです。信長が道三との面会時に率いた軍勢は、三間柄の槍や鉄砲を装備しており、これを見た道三は信長が只者ではないと気付かされました。この時の面会が、後の斎藤道三の悲劇へとつながっていきます。
1巻では、幼き日の徳川家康も登場します。物語の早い段階で家康が登場したのに対して、豊臣秀吉はかなり遅くに登場します。この辺りの展開も興味深いですね。
織田信長(1)-山岡荘八 |
取扱店(広告) |