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時代小説の魅力

時代小説の魅力。それは、その時の流行り廃りとは関係なく作品を楽しめること。どんなに古い作品でも、色褪せることがないのは、歴史の世界を再現しようとする書き手の創作意欲が伝わってくるから。史実に忠実であろうとする歴史小説、フィクションを織り込んだ作品、どれも作家の特徴が出て味わい深いのが時代小説の魅力です。

最近読んだ時代小説

裸足の皇女-永井路子
壬申の乱に巻き込まれていく山辺皇女を描いた「裸足の皇女」、大伴坂上郎女の恋愛遍歴を描いた「恋の奴」、狭野弟上娘子と中臣宅守との恋を描いた「火の恋」など日本の古代を題材にした9作品を収録。
噂の皇子-永井路子
三条天皇の第一皇子敦明を主人公にした「噂の皇子」、和泉式部の恋愛遍歴を描いた「桜子日記」、平将門と関係がある祈祷師に会いに行った僧を描いた「風の僧」、源義経と山下義経の奇病なつながりを描いた「二人の義経」など8作品を収録。
陰陽師 龍笛ノ巻-夢枕獏
謎の腫れ物を治した謎の老人が登場する「怪蛇」、三角関係のもつれから恐怖体験をすることに男を描いた「首」、娘がかわいがる毛虫が子牛ほどの大きさまで育った「むすめづる姫」など5作品を収録。
陰陽師 生成り姫-夢枕獏
源博雅が12年前に出会った姫と再会します。姫は、近々行われる相撲の節会で、方術を使って海恒世が真髪成村に負けるよう、安倍晴明に頼んで欲しいと博雅に懇願します。それを聴いた晴明は、姫の願い通り海恒世を負けさせるのか。
陰陽師 鳳凰ノ巻-夢枕獏
戒律を破って倒れた智興内供を救う「泰山府君祭」、捨てた女が鬼となり恐怖する男を描いた「青鬼の背に乗りたる男の譚」、鴨川の氾濫を防ぐため人柱になった霊が夫婦を悩ます「手をひく人」、安倍晴明と蘆屋道満が宮中で方術比べをする「晴明、道満と履物の中身を占うこと」など7作品を収録。
陰陽師 付喪神ノ巻-夢枕獏
丑の刻参りを描いた「鉄輪」、男の浮気から恐ろしい事件に発展する「這う鬼」、鬼となった壬生忠見が夜な夜な現れる「ものや思ふと」、藤原兼通と兼家の権力争いと関係して安倍晴明が蘆屋道満と対決する「打臥の巫女」など7作品を収録。
陰陽師 飛天ノ巻-夢枕獏
上賀茂神社の近くで子供が通行人にいたずらをする「天邪鬼」、藤原兼家が百鬼夜行と出会った「露と答へて」、毎晩堀川橋に出る妖しい女房に源博雅が会いに行く「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢う」など、陰陽師安倍晴明が都で起こる怪異を解決する短編7話を収録。
陰陽師-夢枕獏
平安時代の陰陽師安倍晴明が、都で起こる様々な怪異を解決していきます。帝のもとから盗まれた琵琶を取り戻す「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」や毎晩賀茂忠輔の元にやって来る黒川主を描いた「黒川主」など、短編6作品が収録されています。
徳川家康(26)-山岡荘八
大坂夏の陣が終わり泰平の世の実現がなったかに見えました。しかし、家康は、我が子忠輝と伊達政宗が気がかりでした。隙あらば天下を奪おうとする伊達政宗を抑えるため、家康は、彼から忠輝を引き離す決心をするのでした。
徳川家康(25)-山岡荘八
大野治房の郡山焼き討ちにより、大坂夏の陣が始まりました。勝つ戦とわかっていることから士気が上がらない東軍に対し、大坂方は、決死の戦を仕掛けます。しかし、大坂方の諸将が次々と討ち死にし、大坂城は落城の時を迎えようとしていました。家康は、亡き秀吉との約束通り、秀頼の命を助けようと動き出します。