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坂本龍馬(2)

開国すべきかどうかで国論が二分される中、井伊直弼が大老に就任します。勅許を得ることなくアメリカと結んだ日米修好通商条約、将軍継嗣問題で一橋慶喜を推した徳川斉昭ら諸侯が罰せられたことで、幕府に対する不満の声が大きくなります。その頃、坂本龍馬は桂小五郎や武市半平太らと出会い、大きな影響を受けるのでした。

主な登場人物

あらすじ

日本に腹を立てていた梅田梅太郎は、ある日、鮫五郎という盗人と出会います。梅太郎は、鮫五郎に新井の性を名乗らせ、尊王攘夷の志士に仕立てて、ある屋敷に押し込み強盗に入りました。

土佐に帰国していた坂本龍馬は、再び剣術修行のため、江戸の千葉貞吉(定吉)の道場に戻っていました。この頃、千葉貞吉は、後に龍馬が大きなことを成すことを予感します。

千葉道場での修行中、龍馬は、千葉重太郎とともに長州藩の桂小五郎と同郷の武市半平太に会い、大いに影響を受けることになります。

この頃、国内は、アメリカと修好通商条約を結ぶべきかどうかで揉めており、また、それに絡んで将軍継嗣問題も浮上していました。大老井伊直弼は、勅許を得ずに修好通商条約を結び、独断で紀州の徳川慶福(家茂)を14代将軍につけます。そして、幕政に口出しした水戸の徳川斉昭などの諸侯を罰し、幕府の権威を取り戻そうとします。

井伊直弼が強引に政をすすめている頃、梅田梅太郎は、京都で尊王攘夷のために働いていたのでした。

読後の感想

アメリカと日米修好通商条約を結ぶべきかどうかで国論が二分される中、坂本龍馬も少しずつ志士として目覚め始めます。

龍馬の意識が変わり始めるのは、桂小五郎や武市半平太との出会いが大きいのですが、他にも、様々な人物と関わるにつれて、彼の中で何かが起こり始めます。

2巻では、梅田梅太郎の妹の竹乃が登場します。世間知らずで疑うことを知らない竹乃。この竹乃も龍馬に影響を与える一人です。また、竹乃の出現で千葉重太郎の妹千賀の龍馬に対する想いが湧き出してくるのも、2巻での見どころとなっています。さらに後半では、将来、龍馬と夫婦になる龍子(お龍)も登場します。時勢だけでなく、龍馬と関わる3人の女性の生き方も興味深いですね。

坂本龍馬(2)-山岡荘八
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