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徳川家康(4)

桶狭間で織田信長によって今川義元が討ち取られた後、松平元康は家臣が望む岡崎に戻りました。岡崎を拠点に三河の経営に乗り出す元康に今川氏真が不信感を抱き、両家の間が不穏なものとなります。そんな時、元康のもとに信長から面会を望む使者が訪れるのでした。

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主な登場人物

あらすじ

桶狭間で今川義元が織田信長に討ち取られた後、その事実を知らない松平元康(徳川家康)は、忍びで敵方の久松俊勝を訪ねます。そして、3歳の時に別れた母於大と再会しました。

大高城に戻った元康は、そこで義元討死の報せを受け、その後、どうするか決断を迫られます。

一方、義元を討ち取られた今川では、その子氏真が弔い合戦をする意思を示さずにいました。

戦に敗れた元康は、大樹寺を経て松平の旧領岡崎に戻ります。これに不信を抱いた氏真は、岡崎城に使者を派遣し元康の腹を探ろうとします。元康は、岡崎城で織田を牽制していると使者に伝え帰らせましたが、その後も、妻の瀬名から駿府に帰ってくるようにとの使者が遣わされ、今川との関係を断ち切るのに苦心しました。

その頃、織田信長は、滝川一益に命じ元康の情報を集めていました。信長は、元康との同盟を望み面会を持ちかけます。元康は、義元の弔い合戦をせずにいる氏真を見限り、信長と同盟を結ぶ決心をするのでした。

元康は、今川の西郡の城を攻め落とします。氏真は、元康の裏切りに気づき瀬名の処刑を考え始めます。

このまま処刑される日を待つばかりとなった瀬名。その時、彼女のもとに元康の使者石川数正が現れるのでした。

読後の感想

織田信長が今川義元を討ち取った後、元康は、どうすべきか悩みます。

家臣達は、岡崎が松平に戻る絶好の機会と捉えていましたが、元康は松平の菩提寺である大樹寺で自害を考えるほど悩みます。

元康は、家臣の願い通り岡崎を取り戻しました。しかし、これにより今川氏真に裏切りを疑われることになります。元康は、岡崎を拠点に三河の経営に乗り出しますが、東の今川だけでなく、西の織田も脅威でした。

そんな時、信長から面会を望む使者が元康のもとに訪れます。信長は、元康との同盟を望んでいました。この同盟が成立すれば、西の脅威はなくなります。しかし、東の今川を敵に回すことは確実となります。今川には、妻の瀬名がいましたが、彼女の命は、織田との同盟で失われる危険がありました。

元康が、どうやって瀬名を救出するかが、第4巻前半の読みどころです。元康は、氏真のもとに石川数正を使者として送ります。数正は、巧みな交渉で、無事、瀬名を元康のもとに戻します。

後半は、展開が早くなり、織田信長が足利義昭を奉じて上洛します。元康も、その間に徳川家康と名を変え、嫡男の信康は信長の娘の徳姫を妻に迎えることになります。

徳川家康(4)-山岡荘八
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