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伊達政宗(1)

永禄10年に伊達輝宗と義姫との間に誕生した梵天丸は、虎哉禅師の元に預けられ、たくましく成長し藤次郎政宗と名乗るようになります。相馬、畠山、大内など近隣の敵と対峙し、やがては東北全土を平らげようとする政宗。戦国時代に遅れてやってきた独眼竜の天下取りの戦いが始まります。
 
 

主な登場人物

あらすじ

永禄10年(1567年)8月3日に伊達輝宗と義姫との間に第一子が誕生しました。

義姫は山形の城主最上義守の長女で、隙あらば輝宗の首を取って伊達家を乗っ取ろうと考えていました。しかし、すぐに二人の間に第二子が誕生し、義姫の計画は頓挫します。

第一子は梵天丸、第二子は竺丸と名付けられました。この第一子こそが、後に独眼竜と呼ばれることになる伊達政宗です。

輝宗は、義姫が口にした夢のお告げを信じ、梵天丸を万海上人の生まれ変わりと信じ込み、まだ赤子にもかかわらず、従兄弟の伊達藤五郎(成実)と片倉小十郎(影綱)とともに虎哉禅師に預け英才教育を施しました。

虎哉禅師の教育を受けた梵天丸は、幼少期に左目を失ったものの立派に成長し、11歳で元服式を終え藤次郎政宗と名乗るようになります。そして、しばらくの後、三春城主の田村義顕の娘の愛姫を妻に迎えました。

16歳になった政宗は、近隣の相馬、畠山、大内の連合軍相手の戦に初陣し、見事勝利を収めます。その翌々年に輝宗は政宗の成長を認め家督を譲りました。

伊達家の当主となった政宗は、大内と畠山の討伐にかかります。そして、大内に壊滅的打撃を与え、畠山も降伏を願い出てきました。畠山の降伏を認めようとしなかった政宗でしたが、父輝宗の説得を聴き入れ、畠山の領土を安堵することにします。しかし、この時の決断が伊達家に大きな打撃を与えるのでした。

読後の感想

戦国時代の終盤に東北地方に大きな勢力を持った伊達政宗を主人公にした作品です。政宗は、幼少期に疱瘡にかかり左目を失ったことから独眼竜と呼ばれるようになります。

政宗の誕生に父輝宗は大いに喜びます。幼くして虎哉禅師に預け英才教育を施した輝宗の政宗に対する期待はとても大きなものだったでしょう。しかし、母の義姫の胸中は複雑です。義姫は、伊達輝宗の首を取って最上家の領土拡張を狙っていたのですから、政宗がたくましく育つとその野望を実現させにくくなります。

虎哉禅師と政宗の師弟関係も興味深いものがあります。虎哉禅師は、政宗にへそ曲がりになることを教え、政宗もそれを実行して近隣の敵に戦を仕掛け勝利を重ねていきます。しかし、政宗のへそ曲がりの戦略が、やがて父輝宗との永遠の別れにつながるのですから皮肉なものです。

 
 
伊達政宗(1)-山岡荘八
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