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伊達政宗(3)

天下を統一した豊臣秀吉の次なる野望は大明征服でした。朝鮮出兵を命じられた伊達政宗は、智恵を使って損害を少なくすることに成功します。しかし、朝鮮から帰国した政宗は、豊臣秀次謀反計画に連座したと嫌疑をかけられ窮地に追い込まれます。

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主な登場人物

あらすじ

豊臣秀吉の大明征服計画が実行に移され、諸大名の朝鮮出兵が決定されました。朝鮮へと渡る諸大名の中には伊達政宗も含まれています。

政宗は、大明征服計画が失敗に終わると予想しており、できるだけ損害を少なくするために知恵を働かせます。そして、朝鮮での滞在を短期間で終え、日本に帰ってきました。

国内では、豊臣秀吉の子秀頼が誕生したことで、関白豊臣秀次と秀吉の関係が悪化し始めます。両者の関係は修復不能となり、秀次は謀反の嫌疑にかけられ高野山で切腹させられました。

秀次の謀反の計画には、政宗も加担していたという噂が流れます。窮地に追い込まれた政宗でしたが、徳川家康の助けにより難を逃れました。

秀吉がこの世を去ると、政宗は徳川との縁組を進め、天下分け目の戦いに備えます。この頃、政宗の目はすでに遠く世界を向いていたのでした。

読後の感想

豊臣秀吉の天下統一により、国内は平和になったかに思えました。しかし、秀吉の野望は大明征服にまで広がり、さらなる戦いが始まります。

伊達政宗も朝鮮に渡ることになりましたが、彼は、損害をできるだけ少なくするために知恵を絞り出します。派手好きな秀吉の性格をうまく利用した政宗は、損害が大きくなりやすい先鋒を命じられずに済みます。人の性格を読み、己の利益を最大限に引き出そうとする政宗の立ち回りのうまさに驚かされます。

しかし、日本に戻ってきた政宗を今度は石田三成の謀略が待ち受けています。豊臣家に災いとなりそうな人物を次々に排除していく石田三成は、政宗も危険視していました。そこで、豊臣秀次の謀反に政宗も加担していたとでっち上げます。政宗は徳川家康に頼み込み、嫌疑を晴らそうとしましたが、家康は政宗の願いを聞き入れません。

これで政宗も終わりかと思われたのですが、家康がうまく秀吉を説得し事なきを得ます。家康は、いったん政宗の頼みを断わったのになぜ助けたのか、この辺りに秀吉亡き後の家康の天下取りの巧妙さが見られますね。

政宗も人の心を読むのに長けていますが、家康はその1枚も2枚も上をいっています。これからの両者の駆け引きからも目が離せません。

伊達政宗(3)-山岡荘八
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