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高杉晋作(1)

ペルリの来航以来、騒然とする国内。諸外国の侵略から国を守らなければならないという思いが、日本国中で沸騰する中、高杉晋作は吉田松陰と出会います。安政の大獄、桜田門外の変、国内で起こる大事件が高杉晋作の人生に大きな影響を与えるのでした。

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主な登場人物

あらすじ

嘉永6年(1853年)6月3日に浦賀にペルリが来航し、人々は江戸幕府の腐朽に気づかされます。

京都の三本木丸太町の梁川星厳(やながわせいがん)の家では、梅田源次郎(梅田雲浜)が幕府の外交政策の不甲斐なさを論じていました。それからしばらくして、幕府は井伊直弼の命により、幕府に刃向う者たちを捕えだします。世にいう安政の大獄です。

梅田雲浜は捕えられ、長州藩では老中の間部詮勝(まなべあきかつ)の襲撃を企てたとして、吉田松陰も藩の獄舎に入れられます。

吉田松陰の松下村塾で学んだ高杉晋作は、江戸にいました。塾の過激思想に危険を感じた両親が晋作を江戸に遊学させたのです。

長州藩の野山獄に入れられていた吉田松陰は幕府の命で江戸の伝馬牢へ護送されます。吉田松陰は、晋作の手配りにより牢内で不自由することはありませんでした。外部との連絡もでき、晋作は松陰から手紙をもらうこともありました。手紙の内容は楽観的なものでしたが、晋作は松陰との永遠の別れをすでに悟っていたのでした。

読後の感想

高杉晋作を主人公にした作品ですが、1巻では高杉晋作よりも吉田松陰を中心に物語が展開されていきます。

黒船来航から安政の大獄、そして、桜田門外の変まで、歴史の流れを解説した部分が多く、幕末の複雑な情勢を理解しやすい構成となっています。なので、幕末に詳しくない方が読んでも、時代背景を捉えやすいですね。

吉田松陰と高杉晋作は、性格が全く違っています。人を信じすぎる純粋な性格を持つ吉田松陰。対して高杉晋作は激しい性格で、気に入らなければ犬も斬り捨ててしまいます。

吉田松陰の死後、高杉晋作は彼の遺志を継ぎ志士として活動していきます。しかし、高杉晋作のこれからの活躍は、松陰の死だけが影響を与えたのではありませんでした。国中から溢れ出してくる歴史を廻そうとする歯車。誰がその歯車を廻すのか、その思いが晋作に動乱の世を歩ませることになります。

高杉晋作(1)-山岡荘八
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