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竜馬がゆく(3)

脱藩した竜馬は、沢村惣之丞とともに薩摩藩の倒幕義軍に加わろうとします。寺田屋騒動により倒幕義軍に加われなくなった竜馬は、江戸へと向かい幕臣の勝海舟と出会い、大きな衝撃を受けます。時代が急速に動き始めた文久2年。竜馬は、やっと長年の夢への第一歩を踏み出すのでした。

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主な登場人物

あらすじ

脱藩した竜馬は、沢村惣之丞とともに長州へ。

そこで、薩摩の島津久光が倒幕のための兵を率いて上洛するという噂を聞き、2人は、大坂を経て京都に入ります。しかし、島津久光にそのような意思はなく、寺田屋で薩摩藩士が同士討ちして事態は収束しました。

倒幕の義軍に加わるつもりだった竜馬たちは、行く宛を失い京都の長州藩邸に匿われます。

竜馬は京都で清河八郎と出会い、ともに江戸へと向かいました。江戸に着いた竜馬は、千葉貞吉、重太郎、さな子と再会します。竜馬は、攘夷に熱を上げる重太郎とともに幕臣の勝海舟を斬りに行きましたが、彼の人柄に魅かれ、その場で弟子となりました。

勝の弟子となった竜馬は、黒船来航以来、自分の軍艦を持つという夢に一歩近づきます。勝とともに幕府の軍艦に乗って大坂へと向かった竜馬。再び京都に入った彼は、楢崎将作の娘おりょうと出会うのでした。

読後の感想

文久2年(1862年)。時代は急速に動き始めましたが、まだ坂本竜馬は世に出てきません。その頃、同郷の武市半平太は、土佐藩の政治の中枢へと上り詰め、藩を上げて勤王活動を行おうと画策をします。また、長州藩の久坂玄瑞も同じ頃に尊王攘夷のために働いていました。

時代を動かした竜馬も、この辺りで歴史の表舞台に出てきて活躍していてもおかしくないのですが、彼の思想は、同じ勤王でも、武市や久坂とは異なったものでした。この頃、主流となっていた勤王は、どちらかというと勤王教とも言うべき宗教のような性格を有していました。ところが、竜馬が考える勤王は、宗教的なものではなく、法螺と受け取られそうではありますが、もっと現実的なものです。

その竜馬の思想とぴったりと合ったのが、幕臣の勝海舟でした。勝の考えている世直しは開国。でも、幕府が行う開国とは違い、積極的に国力を高めていくための開国でした。それは、竜馬が思い描いている日本の将来の姿だったからこそ、彼は勝に弟子入りしたのでしょう。

また、3巻でも竜馬の周りに多くの女性が関わります。坂本家の主筋福岡家のお田鶴さま、千葉道場のさな子、寺田屋のお登勢、そして、将来の妻となるおりょうも、この巻で登場します。

竜馬の輝かしい活躍の裏では、いつも女性の助けがありました。彼女たちの活躍も「竜馬がゆく」を読む楽しさのひとつですね。

竜馬がゆく(3)-司馬遼太郎
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