十一番目の志士(下)
小栗上野介の命を狙う天堂晋介は上方にいました。そこで、出会った奇兵隊総督の赤根武人は、長州藩を裏切り新選組に味方していました。二天一流で幕府の者たちを次々と斬り伏せる天堂晋介。高杉晋作とともに丙寅丸に乗船した彼は、迫りくる幕府軍相手に大活躍するのでした。 |
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主な登場人物
あらすじ
小栗上野介を斬るために江戸から上方まで戻ってきた天堂晋介は、大坂の薩摩屋敷にいました。
その頃、長州藩では高杉晋作ら勤王党のクーデターが成功し、藩論は佐幕から勤王に転換します。
晋介は、大坂で奇兵隊総督の赤根武人と出会います。赤根に京の料理屋に来るように言われた晋介。その言葉に従って料理屋に赴くと、そこには新選組の土方歳三がいました。
赤根は長州藩を裏切り新選組の許にいたのです。晋介は、新選組隊士に囲まれた料理屋から、二天一流の剣技で次々と敵を斬り伏せ脱出しました。
その後、赤根武人は新選組の近藤勇と共に長州藩に視察に訪れます。晋介は、裏切者の赤根を護衛することになりました。しかし、赤根は長州藩に捕えられ斬罪に処されます。
幕府の第2次長州征伐が始まると、晋介は高杉晋作らとともに丙寅丸に乗船し、幕府艦隊の夜襲に成功。幕府軍を追い払った長州藩はいよいよ討幕へと進むことになります。
しかし、高杉晋作は病に倒れ、天堂晋介は最後の仕事をするのでした。
読後の感想
下巻でも、天堂晋介の二天一流は冴えわたります。
新選組を始めとする幕府の者たちを次々に斬り伏せ、時には一人で外国人たちと戦おうとすることも。
下巻では、百姓上がりの奇兵隊総督赤根武人と天堂晋介の関係が興味深いですね。晋介も被支配階級出身だったので、長州藩を裏切った赤根武人に親近感を抱きます。敵であれば、バッサバッサと斬ってきた晋介でしたが、どうしても赤根武人だけは斬る気になりません。赤根を斬ることは、自分自身も斬ることになる、天堂晋介はそう思ったのかもしれませんね。
他にも、下巻では、被支配階級の者たちが晋介を助けます。彼らは、幕府が倒れることで、今の生活から脱出できるに違いないと考えていたのでしょう。だから、長州藩士の天堂晋介の手助けをしたに違いありません。
物語は、高杉晋作が亡くなるところで終わります。その後の天堂晋介がどのような人生を送ったのか、それはこの作品からはわかりません。
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