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坂の上の雲(2)

東京大学国文学科を退学した正岡子規は、陸羯南が社長をしている「日本」で働き始めます。その頃、朝鮮半島で内乱が起き、日本と清国との間で戦争となりました。秋山真之は巡洋艦筑紫に乗ったものの活躍の場を得られず終戦となります。秋山好古は、騎兵を率いて旅順に向かいますが、敵と遭遇し撤退を余儀なくされました。
 
 

主な登場人物

あらすじ

東京大学国文学科を退学した子規は、「日本」の社長になっていた陸羯南の元で働くことになりました。そして、いったん松山に帰り、母と妹とともに帰京し、一緒に住むとにします。

日本新聞で働くようになった子規は、「芭蕉雑談」を連載するようになり、本格的に俳句の世界に入っていきました。

その頃、日本は清国と戦争を始めようとしていました。日本、清国、ロシアが、国益のために朝鮮半島をめぐる対立を深めていき、日本はついに朝鮮半島に派兵することを決めます。

海軍少尉となっていた真之は、巡洋艦筑紫に乗り、日清戦争に参加するものの活躍の場はありませんでした。

一方、フランスから帰国した好古も、騎兵を率いて日清戦争に加わっていました。清国軍がたてこもる旅順に向かって進軍する騎兵は、途中、敵と遭遇し、退却を余儀なくされたものの、旅順は1日で陥落しました。

子規もまた、記者として従軍します。しかし、子規が大陸に渡った時には、すでに講和の話が出始めており、大した仕事はできませんでした。この時の従軍で、子規は結核を悪化させ、帰国するとすぐに入院することになるのでした。

読後の感想

第2巻では、早々に日清戦争が始まります。

朝鮮半島で内乱が起こると、清国はその鎮圧のために兵を派遣します。日本もまた同じ口実で派兵を決定し、両国間で戦争となりました。

日清戦争は、日本の勝利で終わり、遼東半島の権益を手に入れました。しかし、ロシアが遼東半島を清国に返還するよう圧力をかけてきたことから、日本はやむを得ず、遼東半島の権益を放棄することになります。この辺りから、物語は、日本とロシアの関係について深く描かれ始めます。

ロシアの南下政策は、日本にとって脅威でした。日本がロシアに侵略されないためには、どうしても朝鮮半島やその周辺をロシアに渡すことはできません。日清戦争は、ロシアの侵略から国を守るために必要な戦争というのが当時の日本の考えでした。

第2巻の後半では、ロシアの帝国主義について多くのページを割いて解説されています。ここを読むことで、これから始まる日露戦争の予備知識が身につき、物語の理解がより進みます。

本作の主人公の1人である正岡子規は、日清戦争の頃から結核がひどくなり始めます。そして、この時期から、彼の俳句や短歌についての理解が深まり、日本の文学界に名を遺す人物になっていきます。

一方、海軍に進んだ秋山真之は、日清戦争の後アメリカに渡り、米西戦争を自らの目で観察し、後に日露戦争での海戦にその経験を活かします。また、秋山好古は、騎兵を率いて日清戦争に加わった後、中国大陸で北清事変を経験します。

 
 
坂の上の雲(2)-司馬遼太郎
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