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下天は夢か(4)

長篠の戦いでの鉄砲の3段撃ちによる勝利。これまでにない豪壮な天守閣を持つ安土城の築城。石山本願寺の制服。織田信長の天下統一は着実に進んでいきましたが、明智光秀の謀反により、その夢はあっけなく潰えます。シリーズ完結編。
 
 

主な登場人物

あらすじ

天正2年(1574年)11月。織田信長は、尾張領内の道普請を実施します。この頃から、信長は本城を岐阜から安土に移転する構想をあたためはじめていました。また、翌天正3年3月には、京都に向かう中山道の改修を行います。大軍をもよおしての合戦では、敵の侵入を防ぐことよりも、兵站の確保こそが重要と気づいたからです。

三河足助口に侵攻し長篠城を取り囲んだ武田勝頼を討つべく、信長は京都から岐阜城に戻ります。そして、徳川家康とともに設楽原(しだらがはら)で武田勢に大打撃を与えました。

信長は、天正4年から丹羽長秀に命じて安土城の築城を開始します。また、この頃、毛利が味方する石山本願寺との戦いも熾烈を極めていきます。天正6年となり、信長は羽柴秀吉(豊臣秀吉)に中国攻めを命じます。さらに鉄甲船を建造し、毛利の水軍が石山本願寺に兵糧を運ぶのを阻止しました。

その後、荒木村重の謀反はあったものの羽柴秀吉の中国攻めは順調に進み、長かった本願寺との戦いにも和睦が成立しました。さらに天正9年になると、信長は畿内を完全に掌握、北陸の加賀、越前、備中、中国の播磨、備前、美作と丹波、丹後も制圧しました。

目前に迫った信長の天下統一。しかし、彼の前に思いもよらない敵が立ちはだかるのでした。

読後の感想

「下天は夢か」の完結編です。

長篠の戦い、本願寺の降伏など、織田信長の天下統一は着実に進んでいきましたが、明智光秀の謀反により、一瞬にして潰えてしまいます。

物語を読み進んで行っても、なかなか明智光秀が謀反を決意する場面が出てこないのが、この作品の特徴ではないでしょうか。織田信長を描いた作品の多くは、明智光秀が、信長に対して少しずつ憎しみを抱いていき、それが最高潮に達した時、本能寺の変が起こるという内容なのですが、「下天は夢か」では、そのような設定にはなっていません。

この作品での明智光秀は、最初から最後まで頭脳明晰で合理主義者であるように描かれています。その合理主義者が、選んだ道が本能寺を襲撃することだったのです。

また、最終巻は、信長の革新的な政策と年をとるごとに非情さを増していく性格も見どころとなっています。

 
 
下天は夢か(4)-津本陽
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