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龍馬(3)

勝麟太郎のもとで航海術を学ぶ龍馬は、その合間に京や大坂を行き来します。土佐では、山内容堂が土佐勤王党の弾圧に動きだし、武市半平太らの活動は次第に縮小し始めました。そのような激動の中で、龍馬はおりょうと出会うのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

将軍徳川家茂の海路での上洛が決まり、勝麟太郎(海舟)は龍馬らとともに順動丸に乗艦し、神戸から品川に向かいます。

江戸で滞在した後、龍馬は陸路、京へ向かいます。その頃、山内容堂が上洛しており、武市半平太ら土佐勤王党の攘夷運動の反発の機運が高まっていました。そして、土佐藩では、諸藩の者との交わりを禁じ、それに違反した平井収二郎と間崎哲馬が処罰されました。

勝に軍艦がいかなるものか、今の日本が攘夷を決行するのがいかに愚かなことかを知らされた攘夷派公卿の姉小路公知が、何者かに暗殺されました。その下手人として田中新兵衛が処罰されると、同じ人斬りとして名を高めていた岡田以蔵の気持ちが荒み始めます。心配した勝は、岡田に神戸で航海術を学ぶように説得しましたが、岡田は断り、やがて京で奉行所に捕えられるのでした。

八月十八日の政変で長州藩が京から追放されると、幕府と会津藩が力を持つようになります。その頃、龍馬は、神戸で勝のもと航海術を学びながら、京や大坂を行き来していました。

京の隠れ家に潜伏する脱藩浪士たちを海軍塾に誘う龍馬でしたが、彼らは尊王攘夷運動に没入し龍馬の言うことを聞き入れません。

京で、龍馬は、おりょう(楢崎龍)と出会い婚約することにしましたが、激動する京で二人は、落ち着いて生活できませんでした。

読後の感想

龍馬の第3巻です。

勝海舟と出会った龍馬は、航海術を学び、異国との貿易を夢想し始めます。

しかし、国内の情勢は佐幕派と勤王派が激しく争い、土佐浪士たちも政治の世界に引き込まれ、龍馬が、ともに航海術を学ぶことを勧めても耳を貸しません。

軍艦の威力を知った龍馬と時勢を議論する勤王の志士たちとでは、見えている世界が全く違ったのでしょう。

国内で日本人同士が争うことに何の意味があるのか、西洋諸国の文明を知らずにどうして攘夷を決行できるのか。

諸外国の脅威から日本を守るためには、彼らと同じ技術を持たなければ太刀打ちできないことをどんなに言っても、聞き入れられません。自分の目で確かめない限り、自分の考えを改められないのは、いつの時代も同じなのでしょう。

自分の目で見て考え方を改めたのが、攘夷派公卿の姉小路公知でした。彼は、勝海舟に軍艦を見せられ、攘夷と叫ぶだけでは国を守れないことを痛感しました。姉小路公知は、これが理由で暗殺されましたが、もっと多くの人々が西洋諸国の文明を早く知っていれば、明治維新の到来も早かったかもしれません。

第3巻では、龍馬とおりょうの出会いにも注目です。

 
 
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