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龍馬(1)

土佐の日根野道場で剣術に励んでいた坂本龍馬は、中浜万次郎からアメリカの事情を聞かされます。日本とアメリカの文明の差を知った龍馬は、やがて剣術修行のために江戸の千葉定吉道場に入門し、浦賀に来航した黒船を見ることになるのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

土佐の日根野道場で剣術に励む龍馬。その頃、江戸で佐久間象山に学んだ溝渕広之丞が、龍馬に海外の事情を教えます。

溝渕広之丞の話を聞いた龍馬は、次第に西洋諸国に関心を持つようになりました。

ある時、アメリカに漂流していた中浜万次郎が土佐に帰国しました。龍馬は中浜万次郎に会い、アメリカの事情を教えてもらいます。鉄道、蒸気船、大砲、電信。日本よりはるかに進んだ文明を知った龍馬は、大いに驚きます。特にアメリカに殿さまがいないことに衝撃を受けました。

龍馬は、剣術修行のため、江戸へ行きます。

江戸では、千葉定吉の北辰一刀流道場で修業をし、また、佐久間象山の塾にも通い、西洋事情にも少しずつ明るくなっていきました。

江戸留学中、浦賀に黒船が来航します。幕府は、急いで砲台の築造を諸藩に命じますが、アメリカとの軍事力の差は黒船を見ただけでも容易にわかります。龍馬は、アメリカと戦をしても勝てないことを実感し、やがて土佐に帰郷するのでした。

読後の感想

坂本龍馬を主人公にした作品です。

幕末を舞台にした作品では、黒船来航により、西洋諸国からの侵略が脅威となって倒幕に向かっていきます。本作も、同じように坂本龍馬が、黒船来航で日本と西洋諸国の国力の違いを知ることになるのですが、他の作品ほどは悲壮感がないですね。

龍馬や彼を取り巻く登場人物の反応は、他の幕末ものよりも、さばさばとした印象があります。

このような印象を受けるのは、本作の龍馬が、黒船来航前にすでに中浜万次郎と出会い、アメリカの文明を知っていたからでしょう。黒船が浦賀に来た時には、龍馬は、すでに鉄道、蒸気船、強力な大砲、電信がアメリカで発達していることを知っていました。だから、黒船が来航した時、本作の龍馬は、他の作品に登場する龍馬ほどは驚かなかったのでしょう。

他の幕末ものとの比較では、どこかのんびりとした話の展開になっているように思います。

 
 
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