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夢のまた夢(2)

織田信雄が徳川家康に助けを求めたことから、秀吉は小牧長久手で家康と戦うことになります。もはや天下のすう勢が決しつつあり、秀吉も家康も無駄な血を流したくないのが本音。両者は納得のいく落としどころを模索し始めるのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

柴田勝家を滅ぼした羽柴秀吉(豊臣秀吉)は、織田信長の後継者としての地位固めを進めていきます。しかし、信長の次男信雄が徳川家康に助けを求めたため、秀吉は小牧長久手で家康と戦うことになりました。

家康と消耗戦になることを回避したい秀吉。秀吉の天下は明らかなので、できるだけ自分を高く評価させたい家康。

無駄な戦いをしたくない両者の思惑は一致していたものの、小牧長久手の戦いは苛烈となり、秀吉は池田恒興や森長可を討ち取られてしまいます。家康がそう簡単に和睦に応じない事を察した秀吉は、織田信雄に対して和議の交渉を行います。そして、秀吉に滅ぼされることを恐れていた信雄が和議に応じたため、小牧長久手の戦いは終結しました。

その後、秀吉は、四国と九州の平定を着々と進めていきます。

天正14年(1586年)1月。織田信雄が岡崎城の徳川家康と会見し秀吉の和議の意を伝えます。この辺りが潮時と考えた家康は、秀吉との和議に同意するのでした。

読後の感想

北の庄城で柴田勝家を滅ぼした後の秀吉の大敵は徳川家康でした。戦国時代も終盤に入っていることをよく理解している秀吉は、武力での天下統一よりも戦わずして諸国大名を味方につけることが得策と考えます。

これに対して家康も、もはや秀吉の天下は決定したに等しいことから自らの保身を考え出します。

小牧長久手の戦いでの秀吉と家康の心理戦が第2巻の読みどころです。外からは、秀吉と家康が雌雄を決するために戦っているように見えますが、実はどちらも本気で戦って打撃を受けることを嫌っていました。

無駄な血を流さずに家康を味方につけたい秀吉。できるだけ秀吉に自分を高く買わそうと目論む家康。家康に助けを求めた織田信雄は、両者にうまく利用されただけだったのでしょう。これを信雄が見抜けなかったことが、織田家が天下取りレースから脱落していった原因なのかもしれませんね。

 
 
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