夢のまた夢(3)
本格的な九州征伐の前に徳川家康を従わせたい秀吉。母の大政所を人質に差し出してまで、家康の上洛を促します。九州平定後、秀吉は小田原征伐のため大軍を率いて東下。秀吉の天下統一が現実になる時が近づくのでした。 |
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主な登場人物
あらすじ
天正14年(1586年)9月。秀吉は、毛利勢が島津勢と戦っている中、着々と九州征伐の準備を進めていきます。
しかし、秀吉には東国の徳川家康が気がかりで、うかつに九州に出陣できませんでした。そこで、家康の上洛を促すため、秀吉は母の大政所を人質として差し出すことを決心します。
そして、家康が遂に上洛し、秀吉の傘下に加わることになりました。
天正15年正月。秀吉は大坂城で畿内諸大名の年賀を受け、同時に九州征伐の陣触れを発します。秀吉の軍勢は、徐々に九州を制圧していき、やがて島津を自らの傘下に加え九州を平定しました。
九州を平定した秀吉の次なる目標は関東の北条氏政を従えることでした。しかし、北条は上洛を拒み続けます。
北条を従わせたい秀吉は、真田と北条との間で持ち上がった領土問題をきっかけに北条氏政の居城小田原城攻めを決断します。
大軍を率いて東下する秀吉。
彼の目の前に天下統一が見えてきました。
読後の感想
第3巻では、豊臣秀吉の天下統一が目前に迫ります。
多くの武将が秀吉に従い、彼の配下に属さないのは九州と東国の諸大名だけ。もはや、秀吉が天下を統一することは誰の目にも明らかです。秀吉自身も、それをわかっていたのでしょう。夢のまた夢では、無駄な戦いをせずに反対勢力を従わせる秀吉の巧妙な交渉術が随所で見られます。
合戦で徹底的に反対勢力を打ちのめすこともできますが、それをしても損害が大きくなるだけです。すでに秀吉は、天下統一後、どのように国を治めていくかを考えていたのでしょう。
刀狩、伴天連追放、太閤検地。第3巻では、国内で争いが起こらないようにするための秀吉の政策も描かれています。
また、第3巻では、過去の栄光にすがる北条氏政の心情、歴史の転換点に立たされていることを理解する伊達政宗の決断も興味深いです。
夢のまた夢(3)-津本陽 |
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