HOME > 作家別 > 津本陽 > 龍馬(2)

 

龍馬(2)

江戸での剣術修行を終えた龍馬は、故郷の土佐に戻り、武市半平太を首領とする土佐勤王党に加盟しました。しかし、土佐にいては何も得られないと感じた龍馬は脱藩し、江戸で航海術を学ぶために勝海舟の弟子となるのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

安政5年(1858年)に井伊直弼が大老に就任すると、幕府はアメリカと修好通商条約の調印をすすめます。これに反対する水戸の徳川斉昭や彼を補佐する人々は、次々に処分されていきました。世に言う安政の大獄です。

その頃、龍馬は江戸での剣術修行を終え土佐に戻っていました。土佐では、武市半平太が土佐勤王党を結成し、尊王攘夷のために働く有志を募っており、龍馬も加盟することになります。

龍馬は、久坂義助(玄瑞)に会うために長州に向かいました。久坂は、幕府や大名を否定し天朝への忠義を尽くすために起ち上がるべきだと語ります。しかし、龍馬は、久坂の思い描くような過激な行動を起こす気にはなりませんでした

上士と下士がいがみ合う土佐にいても、何もできないと感じた龍馬は文久2年(1862年)に脱藩を決意します。そして、京都に向かいましたが、そこは攘夷派による暗殺事件がたびたび起こる物騒な情勢となっていました。

龍馬は、京都を離れ江戸に向かいました。そして、勝麟太郎(海舟)のもとで航海術を習っていた同郷の近藤長次郎と会い、自分も勝の弟子になりたいと頼むのでした。

読後の感想

江戸での剣術修行を終えた龍馬が土佐に戻ります。黒船を実際に目撃した龍馬にとって、上士と下士がいがみ合う土佐は時代に取り残されていると思ったことでしょう。

龍馬は、後に脱藩し諸国で活躍します。この時代は、自分が生まれた地で一生を過ごすのが当たり前でした。人を土地に縛り付けていた時代とも言えます。

しかし、短時間でどこへでも行ける蒸気船が発明されると、これまでよりも人の移動は楽になりました。

龍馬は、蒸気船の機動力に魅了されたのでしょう。蒸気船があれば、世界中どこへでも行けます。そして、国内の特産物を海外に売ったり、外国の特産物を国内で売ったりもできます。でも、どんなに蒸気船が発達しても、土佐一国に止まっていたのでは、その恩恵を受けることはできません。

それなら、土佐から出るしかありません。つまり、脱藩です。

龍馬は、勝海舟の元で航海術を学ぶことを思いつきます。龍馬が初めて勝海舟と会った時、彼は勝を暗殺することが目的でしたが、勝に諭されて弟子になったと言われています。

しかし、本作では両者の出会いをそのように描いていません。本作に登場する龍馬は、政治に積極的にかかわろうとはしていない点が、他の坂本龍馬が登場する作品とは違っていますね。

 
 
龍馬(2)-津本陽
取扱店