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真田太平記(4)

豊臣秀吉の朝鮮出兵に加わるため、大坂を経て名護屋に向かった真田父子。その裏では、すでに豊臣の天下が崩れるのではないかと期待する山中忍びが行動を活発にしつつありました。甲賀に潜入し、山中忍びの動きを探るお江。信幸の許から出奔し修行の旅に出た鈴木右近。内外の真田家を取り巻く環境が慌ただしくなります。

主な登場人物

あらすじ

豊臣秀吉に仕える山中長俊が、徳川家康に仕える山中忍びの頭領である山中俊房の甲賀の屋敷に向かいました。すでに豊臣の天下となったのに山中長俊が甲賀に向かうのを不審に思った真田家の草の者のお江たちが後をつけます。

その頃、真田家は、秀吉の命により名護屋へ赴く支度をしていました。朝鮮出兵に参加するためです。

大坂に入城した真田昌幸と嫡男信幸(信之)を歓待する秀吉でしたが、その表情は疲れ切っていました。秀吉は信幸に名刀宇多国宗の脇差を与え、関白豊臣秀次に忠勤を尽くすように述べたことに不審を感じます。

昌幸と信幸は大坂に人質として差し出されていた幸村と面会しました。

その後、名護屋に向かい滞在することになった真田父子でしたが、そこに秀吉の母大政所の死の報せがもたらされるのでした。

読後の感想

4巻は、豊臣秀吉の朝鮮出兵が中心です。しかし、物語は朝鮮出兵の裏で行われる忍びの活動に焦点があてられています。

真田家の女忍者のお江が、甲賀に潜入し危機に陥ります。その脱出劇が、4巻の半分程度を占めています。

豊臣の天下に治まったかに思えた国内情勢でしたが、忍びの世界では早くも泰平の世が崩れつつあることに気づいていた者たちがいました。それが、甲賀の山中俊房や秀吉に仕える山中長俊だったのです。

お江は、山中長俊の行動を怪しく思い、うまく尾行できたのですが、その後に危険が待ち受けていました。

お江と山中忍びとの駆け引きは、とても読みごたえがあります。いったい、どのような展開になっていくのか、次々とページをめくっていきたくなります。

また、4巻では、信幸に仕える鈴木右近(忠重)の修行の旅も描かれています。この修行の旅で、鈴木右近がどのように成長するのかも気になりますね。

真田太平記(4)-池波正太郎
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