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人斬り半次郎(幕末編)

薩摩で芋侍と蔑まれる中村半次郎は、ある日、佐土原英助と出会い日本が危急存亡の危機にあることを知ります。後に西郷隆盛とも出会い、島津久光の上洛の列に従って入京した半次郎は、得意の剣を活かして出世していくのでした。
 
 

主な登場人物

あらすじ

ある日、中村半次郎(桐野利秋)は佐土原英助と決闘をします。しかし、半次郎の突拍子もない行動から2人は無二の親友になるのでした。

佐土原英助は、半次郎にこれからは身分の上下に関わらず薩摩藩士が我が国の危急存亡の時にあたり働かなければならないと教えます。そして、半次郎はその言葉に大きな衝撃を受けました。

半次郎は、ある時、西郷吉之助(隆盛)と出会い剣の腕を見込まれ、島津久光の上洛の列に加わることになります。途中、薩摩藩士同士が争う寺田屋騒動もありましたが、半次郎は京都に上りました。

洛中で働く半次郎は、ある日、六角堂で数人の男に襲われているおたみを助けます。それが縁で、半次郎は尼の法秀尼と出会い二人の関係は深まっていくのでした。

この頃、薩摩藩は青蓮院の中川宮の警護の役目を受け持ち、半次郎も警護の任につきました。そして、ある夜、半次郎は賊と遭遇しましたが、持ち前の剣技で任務を果たし中川宮から深く信頼されます。

文久3年(1863年)8月18日。京都政界を牛耳っていた長州藩を薩摩藩と会津藩が協力して追い落とすクーデターが起こりました。この時も半次郎は手柄を立て、洛中に「人斬り半次郎」の名が広まるのでした。

読後の感想

陸軍少将桐野利秋を描いた作品です。

芋侍と蔑まれてきた中村半次郎でしたが、剣の腕は超一流。それを西郷隆盛と大久保利通に認められて上洛し、京都で数多くの手柄を立てていきます。

幕末編では、半次郎の青春時代が描かれており、幸江、おたみ、法秀尼との恋の行方からも目が離せません。

半次郎の人懐こい性格は、芋侍と馬鹿にする他の藩士にも好印象を与えます。また、西郷隆盛からの信頼も厚く、やがて重要な仕事も任せられるようになります。半次郎が西郷隆盛から信頼されるようになったのは、剣の腕だけではなく努力家であったことに理由がありそうです。身分が低かった半次郎は、読み書きも十分にできませんでしたが、上洛してからは睡眠時間を削って勉学に励み教養を身につけていきました。

後に陸軍少将となる桐野利秋の未来を開いたのは、洛中時代の努力による部分が大きかったのでしょう。

 
 
人斬り半次郎(幕末編)-池波正太郎
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