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近藤勇白書

新選組局長の近藤勇を主人公にした作品です。浪士隊への応募、新選組結成、池田屋事件など、近藤勇の目線で新選組の誕生から瓦解までが描かれています。物語の最初から最後まで近藤勇の命をつけ狙う飯田金十郎の存在も見逃せません。
 
 

主な登場人物

あらすじ

文久元年(1861年)のある日。近藤勇(こんどういさみ)が営んでいる天然理心流の試衛館道場に飯田金十郎という浪人が訪ねてき、彼と勝負をしたいと言いました。

試衛館では、勇が出る前に数人の門人が飯田と勝負しましたが、負かされてしまいます。これはまずいと思った勇は、練兵館道場の渡辺昇(わたなべのぼり)をすぐに呼び、代わりに立ち会わせました。結果、渡辺が勝ち、飯田は試衛館を出ていきました。

その後、試衛館道場に門人の土方歳三が原田左之助を連れてき、北辰一刀流の使い手の藤堂平助も勇のもとにやって来るようになります。

文久2年の暮れ、藤堂平助が幕府の浪士隊募集の話を勇の耳に入れます。勇は土方歳三と相談し、試衛館道場の門人たちと浪士隊に応募し、文久3年2月8日に江戸を出発して京都へ向かいました。

途中、芹沢鴨ともめごとはあったものの無事京都に到着。しかし、すぐに浪士隊から離脱し芹沢とともに新選組を結成し、会津藩お預かりとなって市中の警護をすることになりました。

この頃、京都では長州勢力が革命運動をしていましたが、幕府や会津藩によって8月18日に御所から追放されます。新選組内部では、日頃から乱暴狼藉を働く芹沢鴨が勇たちによって粛清されました。

年が明けて元治元年(1864年)。江戸にいた頃から飯田金十郎は勇の命をつけ狙っており、彼の手によって新選組隊士が斬られる事件が起こります。また、昨年の巻き返しを図る長州藩士たちが池田屋で密会を開いているところを新選組が襲撃、1ヶ月後の7月には長州藩兵が京都御所に攻め入る蛤御門(はまぐりごもん)の変が起こりました。

その後、勇は隊士募集のために江戸に戻り伊東甲子太郎(いとうかしたろう)を新選組に加入させ、組織は大きくなっていきました。しかし、試衛館以来の隊士であった山南敬助の脱走をはじめ、新選組内部でのいざこざが絶えません。また、14代将軍家茂と孝明天皇の死が、幕府、会津藩、新選組に大きな影響を与えました。

大倉守から金をもらって勇の命をつけ狙う飯田金十郎。新選組を離脱して御陵衛士を結成した伊東甲子太郎とその一派。勇と新選組にとって悪いことが続きます。

慶応4年(1868年)正月3日。鳥羽伏見の戦いが起こり、新選組は会津藩と共に薩長と戦いましたが大坂城まで退却。大阪で徳川慶喜に見捨てられた勇と新選組は、海路、江戸に戻りましたが、そこでも勝海舟の口車に乗せられるのでした。

読後の感想

新選組局長の近藤勇を主人公にした作品です。

近藤勇と言えば、無骨な印象がありますが、この作品では、江戸での家族との生活や京都での妾と過ごす日々が描かれていて、彼の違った一面を見ることができます。

また、物語を通して飯田金十郎という浪人が、近藤勇の命をつけ狙うのもこの作品の特徴です。最後は大倉守に口封じのために命を狙われる飯田金十郎と幕府に見捨てられた新選組の姿が、動乱の時代に生きた男たちの悲哀を感じさせます。

 
 
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