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真田太平記(1)

武田家の滅亡で、織田信長につくべきか悩む真田昌幸は、草の者と呼ばれる忍者たちがもたらす情報をもとに真田家の向かうべき道を決断します。高遠城の戦いで傷を負った向井佐平次は、源二郎(のちの幸村)と運命的な出会いを果たし、真田の庄へと行くのでした。

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主な登場人物

あらすじ

天正10年(1582年)3月。命運が尽きた武田家の足軽向井佐平次は、織田軍3万に包囲された高遠城に立て籠もっていました。

次の戦いで死ぬことを城内の兵士たちは誰もが理解しています。もちろん向井佐平次も。

高遠城を守る武田軍の最後の戦いが始まり、城を守る仁科盛信は戦死、兵士たちも次々に倒れていき、向井佐平次もついに力尽きます。

真田昌幸は、武田勝頼を助けるため、自身が守る岩櫃(いわびつ)の城に撤退するように助言しました。しかし、勝頼は、その言葉を聞かず、武田家を滅亡へと向かわせます。

武田勝頼亡き今、織田につくべきかどうか悩む昌幸。その頃、昌幸の次男源二郎(後の幸村)は、戦で傷ついた向井佐平次と運命的な出会いを果たすのでした。

読後の感想

戦国時代後期の真田家を題材にした作品です。

物語は、武田家の滅亡から始まります。いよいよ織田信長の天下が目前に迫り、真田昌幸は織田に味方すべきかどうか迷います。

真田家と言えば、忘れてはならないのが忍者の活躍です。真田太平記では、草の者と呼ばれる忍者たちの出番がとても多いのが特徴的です。草の者をまとめる壺谷又五郎(つぼやまたごろう)や女忍びのお江(こう)の働きは、戦国時代の諜報戦がどのようなものであったのかを読者が想像するのに十分な描かれ方をしています。

1巻では、真田信之も幸村も少年で、主人公は父の真田昌幸です。昌幸が、壺谷又五郎がもたらす情報をもとに真田家の進むべき方向を決断するのが、この巻の読みどころといえるでしょう。

真田太平記(1)-池波正太郎
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