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新・平家物語(6)

鹿ヶ谷の陰謀に連座した者たちを処罰する清盛。彼に対する不満が強まる中、娘の徳子が高倉天皇の皇子を出産し、平家は栄華の絶頂期に入りました。しかし、嫡男の重盛の死、山下兵衛義経と名乗る者の放火と、平家の天下に暗雲が漂い始めます。
 
 

主な登場人物

あらすじ

鹿ヶ谷の陰謀を知った平清盛は、西光を死罪とし、藤原成経、平康頼、俊寛を鬼界ヶ島に流し、その他の者たちにも罰を与えました。

その頃、都では火災が多発し人々は不安に思っていました。そんな中、清盛の娘徳子が高倉天皇の皇子を出産し、平家は栄華の絶頂にいましたが、嫡男の重盛が亡くなり平家の行く末に不安がよぎり始めます。

一方、奥州平泉にいたはずの源義経は熊野に潜伏していました。そこで、叔父の源行家と出会い、そして都に向かいました。

都では、山下兵衛義経と名乗る者が暗躍していました。平時忠は昨今の火災などは山下兵衛義経の仕業に違いないと思い、その正体は鞍馬から抜け出した源義経だと睨んでいました。

やがて、山下兵衛義経は、武蔵坊弁慶によって捕らえられ平時忠のもとへ送られました。しかし、彼が、鞍馬から抜け出した源義経とは別人であることを知った時忠は、罠を仕掛け、本物の義経を誘い出そうとするのでした。

読後の感想

第6巻では、平清盛の娘の徳子が高倉天皇の皇子を出産します。

清盛は、藤原摂関家と同じように天皇家と縁戚となり、ここに平家の栄華は絶頂期に達したと思われました。しかし、嫡男の重盛が早世し、その行く末に暗雲が漂い始めます。

平治の乱で平家に味方した源頼政が、密かに以仁王と交わり、誰にも気づかれぬように妥当平家の準備を整え始めたのもこの頃でした。

第6巻の大部分は、源義経を中心に物語が進んでいきます。奥州平泉を抜け出し熊野を訪れた義経は、やがて都に向かいます。その頃、都では、山下兵衛義経と名乗る者が、放火などをし、平家の足元を揺さぶっていました。

この山下兵衛義経の登場が、源義経と武蔵坊弁慶の出会いに関わります。五条大橋で平家の公達から刀を奪い取っていた弁慶を牛若丸が懲らしめるというのが、両者の出会いとされています。しかし、本作では、弁慶が平家の公達から刀を奪い取る場面は描かれていません。

源義経が熊野で出会ったさめという女性、そして、平時忠が両者の出会いと深く関わります。

都に潜伏中の源義経は、平時忠と面会しますが、それが後に二人の運命を大きく変えることになります。

 
 
新・平家物語(6)-吉川英治
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