新・平家物語(14)
源氏との和議を進めようとしていた平時忠父子が船島に幽閉され、源平両軍が壇ノ浦で最後の戦いに臨みます。三種の神器の奪還を望む義経は、時忠父子と連絡を取りながら、平家の水軍と戦います。潮の流れが源氏に不利な状況が続き苦戦する義経。しかし、潮の流れが変わると形勢は逆転し、義経は三種の神器の奪還に動き出します。 |
PR
- 時代小説も読み放題-Kindle Unlimited
- 1冊でも倒れない ブックスタンド
主な登場人物
- 源義経
- 平時忠
- 平宗盛
- 平知盛
- 平経盛
- 平教盛
- 平資盛
- 平教経
- 平時実
- 平清宗
- 二位尼
- 建礼門院
- 源頼朝
- 源範頼
- 源行家
- 源有綱
- 武蔵坊弁慶
- 伊勢三郎
- 佐藤忠信
- 那須与一
- 那須大八郎
- 梶原景時
- 桜間介能遠
- 北条時政
- 湛増
- 静御前
- 安徳天皇
- 金売吉次
- 五条の伴卜
- 阿部麻鳥
あらすじ
壇ノ浦で源氏との一戦に臨む平家は、平知盛を中心に結束します。
一方、平宗盛と教経に船島に幽閉された時忠父子は、平家の滅亡を食い止めるため、源氏との和議を進めます。
三種の神器の奪還を達成するため、源義経は、桜間ノ介を使者とし、時忠父子と連絡を取り合います。しかし、宗盛と教経が、時忠父子に刺客を送り、義経の思うようにはいきませんでした。
壇ノ浦で、源氏と平家の船戦が始まると、源氏の梶原景時が勇んで平家の陣へ突き進むも撃退されます。知盛率いる平家の水軍は、次々に源氏の水軍を沈め、有利に戦いを展開しました。
潮の流れが源氏の水軍にとって不利な状況が続く中、義経は平家の水軍をいなし、三種の神器を乗せた御座船を探します。
御座船と思われた唐船には、平教経が乗っており、近づく源氏の水軍は次々と打撃を受けていきました。
潮の流れがなおも源氏に不利な状況が続きます。義経は、平家の水軍から逃げるように後方に向かって走ります。潮の流れが変わるまでに源氏の水軍を壊滅させようと追う知盛。しかし、潮の流れが変わり、形勢は一気に逆転します。
平家の水軍を撃退する源氏の水軍。義経は、時忠の知らせにより、ついに平家の御座船を見つけるのでした。
読後の感想
第14巻では、壇ノ浦の戦いが描かれています。
義経にとっての最大の使命は、平家から三種の神器を取り返すことでした。平家を滅亡させることより、三種の神器の奪還が優先されていたのですが、源氏の武者にとっては、それより手柄をたてることが重要でした。この辺りが、源氏の軍勢を率いる義経の悩みどころだったでしょう。
一方、平家の中では、和議を望む平時忠父子が船島に幽閉されていました。義経が三種の神器を無事取り返すためには、時忠父子と連絡を取り、和議を実現させることが最も良い方法でした。しかし、平家の中で力を失った時忠父子では、和議は困難でした。
壇ノ浦の戦いは、前半は平家有利でしたが、後半に潮の流れが変わり形勢が逆転します。次々に平家の水軍が沈んでいく中、やがて、二位尼と安徳天皇も入水します。この時、三種の神器も海に沈みましたが、2つは見つけ出すことができました。
平家で生き残ったのは、宗盛父子、建礼門院、時忠父子などでした。神器のうち2つを取り返せたのは時忠父子の内応があったからであり、義経は、その功績を頼朝に伝え宗盛父子の助命を嘆願します。しかし、頼朝は、壇ノ浦の戦い直後に義経に対する態度を一変させ遠ざけるようになり、宗盛父子の助命は叶いませんでした。
頼朝の態度が変わったのは、謎ですが、本作では、義経の力を恐れたものとしています。
第14巻の後半では、頼朝から遠ざけられた義経を中心に物語が進んでいきます。源行家も登場し、義経の立場はさらに苦しくなっていきます。
新・平家物語(14)-吉川英治 |
取扱店(広告) |