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時代小説の魅力

時代小説の魅力。それは、その時の流行り廃りとは関係なく作品を楽しめること。どんなに古い作品でも、色褪せることがないのは、歴史の世界を再現しようとする書き手の創作意欲が伝わってくるから。史実に忠実であろうとする歴史小説、フィクションを織り込んだ作品、どれも作家の特徴が出て味わい深いのが時代小説の魅力です。

最近読んだ時代小説

大わらんじの男(5)-津本陽
吉宗が、幕府財政の再建を進める中、彼の落胤と称する源氏坊天一が江戸を騒がせます。自分の子ではないとの確証を得られない吉宗でしたが、やがて事件は解決に向かいます。しかし、長年悩まされている米価の安定はいつまでも成し遂げることができず、ついに一揆が発生するのでした。
大わらんじの男(4)-津本陽
江戸で物価高が続き、それに伴い米価安となったことで旗本や御家人の暮らしが窮乏していきます。吉宗は、倹約に力を入れ消費拡大を抑える政策で乗り切ろうとしますが、思うように物価を安定させることができず苦心するのでした。
大わらんじの男(3)-津本陽
早逝した家継の跡を継ぎ、吉宗は8代将軍になりました。譜代を登用し新参との対立を解消したり、幕府巡検使が諸大名の接待を受けることを禁止するなど、着々と幕政を改革していきます。一方で、些細な失敗には寛容な態度を見せ、吉宗の評判が高まっていくのでした。
大わらんじの男(2)-津本陽
兄頼職の急死で紀州家を継いだ吉宗は、藩財政の建て直しに力を入れ、旧勢力に命を狙われる中、着々と成果を上げていきます。幕府も、綱吉、家宣が亡くなり、幼い家継が将軍位に就き不安定な政治が続いていました。幕府内から一部で吉宗待望論が持ち上がりますが、彼が将軍になるのは難しい状況にありました。
大わらんじの男(1)-津本陽
紀州藩主光貞の子として産まれた新之助は、たくましく、そして、心優しく育っていきます。しかし、新之助には2人の兄がおり、藩主の地位を望める立場にありませんでした。ところが、兄たちが次々と謎の死を遂げ、新之助に紀州藩主となる道が開けるのでした。
南海の龍-津本陽
紀州藩主徳川光貞の四男として産まれた新之助は、兄たちよりも心身ともにたくましく成長していきます。そして、英君になるための教育を施された新之助は、家臣たちからも期待される人物となりました。しかし、二人の兄の存在が、新之助が藩主となる道を遮るのでした。
八代将軍 吉宗-堀和久
江戸幕府八代将軍になった徳川吉宗は、大奥との関係を良好に保ちながら、その改革を行います。さらに町火消制度の創設や目安箱の設置により、庶民の暮らしがより良くなるように図りました。しかし、幕府財政の安定化は思うようにいかず、苦悩するのでした。
市塵(下)-藤沢周平
朝鮮通信使の迎接に就いた新井白石は、将軍の呼称を日本国王に改めることや御三家の相伴廃止といった通信使改革案を実行に移します。そして、通信使迎接の後は、荻原重秀によって劣化した貨幣の質を元に戻すため金銀貨の改鋳案をまとめるのでした。
市塵(上)-藤沢周平
甲府藩の用人間部詮房は、次期将軍に藩主綱豊を推す計画を新井白石に打ち明けます。5代将軍綱吉の世で、取り潰しに遭う大名や旗本、生類憐みの令により息詰まる生活を強いられる庶民を救うため、白石は間部詮房とともに幕政改革に乗り出します。
峠の群像(4)-堺屋太一
赤穂藩の取り潰しが決まり、大野九郎兵衛は、藩札の清算に追われるも、石野七郎次の才覚により何とか乗り切ります。藩士たちは、これからどうするのか。お家再興を目指すのか、主君の仇討ちをするのか。筆頭家老の大石内蔵助は、仇討ちを望む藩士たちをまとめ上げ、吉良邸に討ち入るのでした。