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天璋院篤姫(上)

薩摩藩の島津忠剛の娘として生まれた於一は、藩主島津斉彬に見込まれ養女となります。黒船来航で騒然とする国内。この難局を乗り越えるためには、一橋慶喜を次期将軍に据えるべきだと考える斉彬は、於一を13代将軍の御台所にし、我が意を伝えようと計画します。

主な登場人物

あらすじ

江戸時代後期。薩摩藩の島津忠剛に娘が誕生しました。その子は、於一(おかつ)と名付けられ、ひ弱な兄とは対照的に元気に育っていきました。

於一は、やがて敬子(すみこ)と名を変え、薩摩藩主島津斉彬と対面することになります。向学心の強い敬子を気に入った島津斉彬は、彼女を養女として迎えることを決断しました。

斉彬の養女となった敬子は、鶴丸城に上がります。そして、彼女の教育係となる老女の幾島と出会いました。翌日から幾島は、敬子に行儀作法、島津家の歴史、徳川家の由来を教えます。

この頃、国内は黒船来航で騒然としていました。強い危機感を抱く島津斉彬は、次期将軍に一橋慶喜を立てるべきだと考えていました。敬子は養父から受けた使命を果たすため、13代将軍徳川家定に嫁ぎ篤姫となるのでした。

読後の感想

13代将軍徳川家定の御台所となった篤姫を主人公にした作品です。

幕末動乱の時代、島津斉彬は諸外国からの脅威から日本を守るためには聡明なリーダーが必要だと考えます。そこで、14代将軍に水戸の一橋慶喜を推すことを考えます。

しかし、斉彬の考えを将軍家定に伝える手段がありません。そこで、篤姫を家定に嫁がせ、我が意を伝えさせることを思いつきます。

斉彬の思い通りに篤姫は家定の御台所となりましたが、心身ともに弱い家定になかなか一橋慶喜を次期将軍にすべきことを言いだせませんでした。

幕末を題材にした時代小説は、新選組や勤皇の志士が活躍するものが多いので、大奥から見た幕末はとても新鮮です。

天璋院篤姫(上)-宮尾登美子
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